その100

 認識界における認識は私たちの精神を介した自然的な実在であるフュシスだ。認識が存在の素性を完全に捉えていなくても、私たちを介在した認識界が実在することはこの存在の広がりにおける自然発生的な事実である。私たちを介在にして起こることはそのすべてがフィシスに含まれる運動である。存在すればそれが何であってもフィシスではないか。私たちの認識における誤りもまた自然な現象でありフュシスであると考えられる。