その99

 私たちは実存的に認識界にいながらも実質上の存在の基盤のうえにある。存在の基盤があることで認識界がある。その逆はない。存在が認識界を生む。認識界に対して、非認識界がある。認識されてないが、確かに存在することがある。在るものはあるだけで、何か特別なことではない。存在するあらゆる現象は自然である。認識上、特別なことがあるが、それは私たちの実存的な意味での特別さで、私たちに条件づけられた特別さは、私たちが存在することで生じているのであり、私たちが不在であれば、私たちに条件づけられた認識界は存在しない。認識界はどこまで存在の素性と紐づいているのか。存在の素性がどこまで明かされたうえでの実在が認識界なのか。