その88

 りんごの実存はりんごの構造以上の広がりにある。構造の成立のために与えられる構造があるのではないか。ある構造をもつりんごの内部の成立のために必要な構造がりんごの外部にあるのではないか。存在の流れとは畢竟、構造ではないか。りんごの内部構造はその外部構造と連続しているのではないか。内部構造は外部構造に依存し、外部構造はそのものとしては内部構造であり、その成立は相互依存関係にある。相互依存関係が存在の流れを生んでいる。なぜ存在は流れているのかは、相互に依存関係にあるなかで情報のやり取りが行われ、相互の構造が内的に情報の組み換えにあるからではないか。