その61

    関係性とは事柄のことであり、実質としての実態を持たない。実態を持たないが存在するコトが私たちの感じる実質との関連にある。何かと何かの関わりのうえにある実質が何かと何かを存在させているのではないか。何かであることは何かであり得ているのである。何かが何かであり得るために存在する何かがある。何かのためであり、何かのためではない。純粋な反応がある。その反応の有り様が私たちの捉えようとする実態の底にある。私たちがりんごを知ろうとするとき、りんごにまつわる反応の様態を知っていくのである。りんごを知るとは、運動するりんごの領域の運動を把握することである。