その33

 存在する世界のどこであっても存在できるわけではない私たちは実存的に条件づけられている選択的実在であると言える。私たち自身に選ばれているのか、外部により選ばれているのか、いずれもが現実であるとき、私たちは外部環境との間に実在すると考えられる。私たちは私たちに見合った場に実在するのであり、私たちは条件づけられた場に生かされている。私たちの生きる場とは私たちのみに帰属するのではない。私たちが実在可能な場とは他の存在と共有された場である。私たちだけが帰属する場は存在しない。さまざまな存在が帰属する場のどこかを共有したうえで実在する私たちは、選択的実在に加えて、共有的実在である。